私の研究室では、昨年、日本の維管束植物の種多様性地図、および、森林生態系の機能特性指標地図を完成させました。頭脳循環プロジェクトでは、沿岸域の海洋生物(サンゴ・魚類など)の多様性地図を作成します。これにより、陸域の人為撹乱による生態系機能の改変と、沿岸海洋域の生物多様性保全を統合的に分析できる見込みです。具体的には、1)日本周辺海域の海洋生物の分布・系統・機能情報を用いて、沿岸海洋の生物多様性パターンの進化生態学的形成メカニズムを解明する;2)海洋生物多様性パターンを考慮した海洋保護区(MPA)の適正配置(prioritization)を分析する;3)陸域と海域における社会経済活動と生物多様性保全のトレードオフ関係の分析と、それらを多目的に最適化するシナリオを提案する。