Ulrich W., Kubota Y., Kusumoto B., Baselga A., Tuomisto H., Gotelli N.J. & Peres‐Neto P. (2018) Species richness correlates of raw and standardized co-occurrence metrics. Global Ecology and Biogeography. doi.org/10.1111/geb.12711
この論文は、Ulrich et al. (2017) Global Ecology and Biogeography. DOI: 10.1111/geb.12527 のフォローアップ的な研究です。
群集構成種のoccurrence matrix(共起行列)から計算される群集集合の様々な指標(種間の排他関係を表すCスコア、種組成の入れ替わりや入れ子を表すベータ多様性)が、分析対象となっている局所群集全体の種数(ガンマ多様性)と相関することを、中立モデルを用いて示しました。これらの結果から、種の共起行列を用いたヌルモデルアプローチの場合、群集集合プロセスを誤解釈するリスクを警鐘しています。局所群集の種組成をプールしてガンマ多様性を定義するヌルモデル分析の場合、このような問題を解決することはできないのが、悩ましい点です。「注意して解釈しましょう」というのがこの論文のメッセージです。