それにしてもKew植物園ミレニアムシードバンクには感動しました。Kew植物園には250名ほどの研究者、ミレニアムシードバンクにも70名の研究者がいるとのことです。今回の訪問では、事前にアポイントを取っていた研究者を含めて、数多くの人と議論ができて有意義でした。
ロンドン滞在後は、イタリア・パレルモへ移動して国際植生学会に出席してきました。植物の群集生態学に関する学会で、これもまた大変有意義でした。今大会も機能特性に焦点を当てた研究発表が多かったのですが、機能特性アプローチは曲がり角に来ている印象を受けました。機能特性アプローチのご利益として「種多様性を生態系機能・サービスにトランスレートできる」というのがあるのですが、これが実はなかなかうまくいかない。一方「群集における機能特性の集合パターンから群集形成メカニズムを推論できる」というのも予想していたほど簡単ではないことがわかってきた。この辺のことは、私達の研究グループとしては織り込み済みなので、今後の研究方針を色々考える機会になりました。私達の研究グループでは、5件の口頭発表をしました。いずれも好評だったようです。共同研究の申し出も複数件あり、今後も国際的ネットワークを拡大していけそうです。