2019年8月31日付で研究室を企業化しました(株式会社シンクネイチャー)。
そして、生物多様性市場を創出するために、シンクネイチャーをスケールする事業戦略を今年(2022年)に確立し、ネイチャーTECH「スタートアップ」としてギアをあげて活動する方針になりました。
note記事で、研究成果とその社会実装について少しづつ情報発信しています。
インターンや採用については、お問い合わせください!
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生物多様性の保全・利用に関する研究成果を社会実装して、その収益で基礎研究を推進する目的で研究チームで起業しました。 2019年8月31日付で研究室を企業化しました(株式会社シンクネイチャー)。 そして、生物多様性市場を創出するために、シンクネイチャーをスケールする事業戦略を今年(2022年)に確立し、ネイチャーTECH「スタートアップ」としてギアをあげて活動する方針になりました。 note記事で、研究成果とその社会実装について少しづつ情報発信しています。 インターンや採用については、お問い合わせください!
沖縄の自然の豊かさを未来に受け継いでいくためには、多くの人たちが生物多様性の価値を理解する必要があります。このような観点から、私たちの周辺に暮らしている生き物たちを「見える化」するこアプリを開発しました。 沖縄の生き物の豊かさを象徴するジュゴンの名前を借りて、アプリをジュゴンズアイと命名しました。アイには、AI(人工知能)、EYE(眼差し)、愛(Love)をかけています。生物多様性ビッグデータと人工知能を基にしたジュゴンズアイを通して、沖縄の豊かな自然を実感してもらいたいです。以下からインストールしてお試し下さい。 iOS: ジュゴンズアイβ版(DugongsAI) Android: ジュゴンズアイβ版(DugongsAI) 新生代の化石記録を用いて、気候変動に応答した樹木群集の多様化プロセスを解明した論文を発表しました。五十里さん(博士院生)の論文です。 様々な古気候条件に特徴づけられる地質年代を横断した化石群集の記録は、現在進みつつある地球温暖化に対する生物多様性の将来変動をよりよく理解するのに役立ちます。そこで、新生代の日本列島で発見された被子植物の化石記録を網羅的に収集して(7,468データポイント、95科310属)、新生代の各年代(漸新世、中新世、鮮新世、更新世、最終氷期、完新世、現代)の木本属多様性を、ベータ多様性(地域間の組成の違い)の観点から分析しました。 新生代の温暖化や寒冷化は、日本列島の木本群集の地域的な多様性にどのように作用したのでしょうか。
漸新世、中新世、鮮新世、更新世、最終氷期、完新世、現代を俯瞰して、冷涼な気候条件と温暖な気候条件がベータ多様性(属組成のターンオーバー)の距離依存性に与えた影響を検証しました。 木本属組成ターンオーバーの距離依存関係をモデル化すると、属のターンオーバーは、寒冷化が卓越した最終氷期、完新世、現代においてのみ、地理的・気候的距離と有意な相関がありました。温暖期である漸新世から鮮新世にかけては、属のターンオーバーは地理的距離とほとんど無関係でした。このことから、寒冷気候による環境フィルター効果によって、日本列島全域の木本植物群集の地域的多様化が促進されたことが示唆されました。さらに、温暖で安定した気候では分散制限が解放されることが示唆されました。この結果から、現在温帯環境にある日本の森林群集は、温暖化に伴って、地域的な多様性パターンが地理的に均質化されうることが推察されました。 自然保護区の拡大による生物多様性の保全効果は「保護区を設置する場所」に依存します。
しかし、保護区は土地・海域の利用に関する法的規制を伴うため,保護区を拡大できる場所は,社会経済的に制限されます。どこでも保護区に指定できるわけではありません。 したがって、陸や海の空間計画には、生物多様性保全と社会経済的利用の調和が求められるます。 自然共生の理念を基に、ある空間を経済的に利用しつつ保全も副次的に達成するOECM によって、民間主導の保全事業を推進することは有望です。しかし、保全の実効性を担保するという観点では,OECM の難易度は高く,保全政策としては共同幻想に終わる可能性もあります。 生物多様性保全の観点から、実効性のあるOECM を長期的に駆動させる原動力として,生物多様性ビッグデータ・テクノロジープラットフォームが重要です。 ベネッセさんとのコラボです。
中学生向け「ミライ科」で、生物多様性を主題にした読み物を企画して頂きました。 未来を担う中学生の皆さんが、「ネイチャーポジティブ」や「自然と共生する社会」を目指すアクションに、興味関心を持つ機会になることを期待しています。 東北大学で開催されたシンポジウム「生物多様性観測と自然の情報開示」の講演で紹介した参考文献についてです。 日本語の解説としては、私たちの研究チームで執筆した、以下の総説をご覧ください。
生物多様性の保全科学:システム化保全計画の概念と手法の概要 そして、社会実装の事例を紹介した解説としては、以下を読んでください。 生物多様性地域戦略を空間的保全優先度分析で具現化する: 沖縄県の生物多様性保全利用指針 OKINAWA 作成の事例 日本産樹木種の繁殖特性(花の大きさ・色、果実や種子の大きさなど)を網羅的に調べて、それらの地理的パターン(緯度勾配)を検証しました。
花の大きさは高緯度で大きくなり、また、花の色のバラエティも高緯度で豊かでになる。一方、果実や種子は高緯度で小さくなる。 このような繁殖特性の緯度的パターンは、ポリネーターの多様性パターンに対応しているかもしれない、との推論で、今後、さらに分析を進める予定です。 |
Authorthink-nature.jp久保田康裕(Google Scholar) Archives
July 2023
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