そして、外来種それぞれの原産地(生物地理学的な由来)を可視化しました。
外来植物は、原産地の気候環境に対応した地域に侵入しつつも、在来群集のニッチ空間や人為活動による土地改変にも関係して、日本国内に侵入していました。
全外来種を含めて見ると、以下のように大都市に外来種ホットスポットが集中していることがわかりました。
そこで、外来種ホットスポットが形成される仕組みを理解するために、外来種の原産地グループごとに、外来種数を決定する要因を、パス解析で検証しました。
日本の地理区と同じ原産地の外来種の場合、日本の地域の気温に適応して侵入し、同時に、人為活動による土地改変にも関係して、日本国内に外来種ホットスポットを形成していました。
一方、日本の地理区と異なる原産地の外来種は、気候などの環境条件とは無関係で、人為活動による土地改変に関係して、日本国内に外来種ホットスポットを形成していました。
ある場所における外来種の種数の多さ、すなわち、外来種ホットスポットを指標にして、地域的な外来種の侵入のしやすさを考えると、外来種の侵入可能性は、外来種の生物地理学的な由来(原産地)と、在来生物群集の生物的・気候環境要因の組み合わせで、決定されていることが明らかになりました。
これらの結果からは、今後の温暖化によって、熱帯由来の外来植物が日本の北部地域へ分布拡大すること、あるいは、都市化による土地改変が外来種の由来とは無関係に生物学的侵入を加速させることが、予想されました。
この研究成果は、外来生物の侵入メカニズムに関する「ダーウインの難題」を解明した、以下の論文の続編です。